三体を読んだ
ようやくⅢまで読了。人に勧めるかというと微妙かも。少し前に三体についての記事がはてなで話題になっていたが、概ね同意。
まず、大言壮語だが行動に一貫性が見出し難いキャラクターが多くて、魅力を感じられなかった。スケールはすごいので巨大工場にワクワクするみたいな楽しさはあったけど、冷静に考えるとトンデモというか。あと、技術的に不可能っぽいことも、天才が1人颯爽と登場して解決!みたいな流れが多く、それもまあ一筋縄ではいかないんだけども、結局は勝者か敗者かといった視点なのも閉口した。特撮とかが好きな人はハマるのかな。ストーリーとしてはだいぶライトで、サクサク読み進められる。いや、キャラクター達にちゃんと感情移入できたらそうも言ってられないのだろうか。
でてくる組織という組織がポンコツすぎてストレスというのもあった。この世界観では人権とか倫理とかは重視されておらず、ポピュラリズムによって社会が動いていく、という印象で、組織というのは個人を食って変質しながら存続することが自己目的化していて、個人の人生の尊重という概念はない。一方、人間ってそういう生き物なのではという提起として読むのは面白い。ETOとか、ぬるっと空中分解していったのは笑った。
三体人も、敵の強さがインフレしすぎた少年漫画でありそうな戦闘に萎えてしまった…。細部の描写の物量はすごいと思う。
面白かったのは面白かったし、読書体験としてはかなりよかった、それゆえに色々言いたくなってしまうやつ。